マラソンのデータ分析に便利なツールとは?おすすめのツールを紹介します

マラソンは、必要な用品が無く、年齢や性別を問わないスポーツであることから、誰でも簡単に始められます。したがって、体づくりのために気軽に始める方も多くいます。しかし、本格的にマラソンをするのであれば、データ分析を行いながらマラソンをすることがおすすめです。ここでは、一般の方でもデータ分析をしながらマラソンができるツールやアプリを紹介します。

「ランニングラボ」なら、多方面から走る力を科学的に分析可能

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日々の健康管理のためだけだけでなく、本格的にマラソンをしてみたいのであれば、ランニングラボを利用するのがおすすめです。ランニングラボは、一流アスリートのスポーツ用品なども手掛けているアシックスが運営しているスポーツラボで、  アシックスラボとも呼ばれています。

このランニングラボでは、これまでトップアスリートのみに行われていたランニング能力測定を一般の人もすることができます。ランニングラボで測定できるのは、「体格的な特徴」や「フォーム」、「足の筋力」や「全身の持久力」であり、どれもマラソンをするのに必要な能力です。

ランニングラボで自身の能力を測定することによって、現在の自分のデータについて分析できるだけでなく、今後のトレーニングの方向性を定めることもできます。

現在、このランニングラボは東京の銀座にあるアシックスストア東京と原宿にあるアシックス原宿フラッグシップ、そして、アシックスストア大阪の3店舗にあります。

利用する場合は事前予約が必要ですが、この予約はアシックスのホームページから可能であり、測定料は税込みで21,000円です。費用はそれなりにかかりますが、本格的にマラソンをするのであれば、年に1回くらいはランニングラボでフォームチェックや自身のデータ分析をするとよいでしょう。

スポンサーとして協賛するマラソン大会で分析実験を行う企業も

企業のデータ分析というと、ランニングラボのようなところで所属する選手の能力向上を目的に行うイメージがありますが、企業のなかには、所属している選手のデータ分析ではなく、スポンサーとして協賛しているマラソン大会でさまざまな分析実験をしていることもあります。

マラソン大会で分析実験を行っている企業はいくつか存在しますが、日本IBMやアズビルが興味深い分析実験を行っていたので、ご紹介していきます。

 ・日本IBMが実施した東京マラソン大会における分析

日本IBMでは、オフィシャルパートナーとなっている東京マラソンで、認知型コンピューター「ワトソン」などの高度なIT技術を活用した実証実験を行っています。日本IBMがマラソン大会で行っている実証実験は、大会運営に関するすべてのことです。

例えば、大会当日は沿道で応援する人たちからの大量のSNSへの投稿や警備員の音声などのリアルタイムの情報と、マラソンコースの各地に設置された監視カメラからの映像を「ワトソン」が分析し、群衆が集中している危険性の高い場所に警備や救護を向かわせるといった安全・安心な大会運営への協力を行うというものです。送られてくる情報の中には間違った情報もありますので、そうした情報を除外することを目的としてワトソンが存在します。

日本IBMの実証実験で得られたデータは、大会当日の安心・安全な運営のためだけだけでなく、大会開始前の準備やトレーニングといった健康増進の分野でも活用されています。

・アズビルは環境へ優しい大会づくりをサポート

アズビル株式会社は、マラソン大会による環境負荷のデータ分析を行っている企業ですが、他の企業とは違う視点でデータ分析を行っています。

マラソン大会にはさまざまなものがありますが、その中でもアズビルが協賛スポンサーとなっている大会に湘南国際マラソンがあります。この湘南国際マラソンは「環境に優しい大会づくり」を掲げている大会です。

この大会において、アズビルは「エコ・フレンドシップ」の推進役としてマラソン大会による環境負荷のデータ分析を行うだけでなく、自社ブースにecoCafe(エコカフェ)をオープンするなど、環境に優しいマラソン大会づくりを様々な側面で支援しています。

また、マラソンや大会ボランティアにも社員が積極的に参加しています。さらに、大会を通じて排出されるCO₂を、自社が保有するクレジットでカーボンオフセットを実施するなどもしています。   

マラソンのデータ分析におすすめのアプリを紹介

マラソンのデータ分析に役立つアプリは数多くありますが、ここでは、そのなかでもおすすめしたいアプリを4つご紹介します。

・Google Fit – アクティビティ トラッカー

マラソンでのデータ分析をするのに役立つのが、Google Fit – アクティビティ トラッカーというアプリです。このアプリの特徴はどれだけ運動をしたかということを、日誌をつける感覚で気軽に記録することが出来るということ。記録したデータはグラフやゲージでわかりやすく表示してくれるので、データ分析も簡単です。記録機能に特化したアプリなので、自分で細かく運動内容を記録して分析したい人におすすめです。消費カロリーや運動量をしっかり測定しながらマラソンを行うことでモチベーションも上がります。

・Nike Run Club

ナイキのマラソンシューズを愛用している人におすすめなのがNike Run Clubというアプリです。詳細なランデータの記録ができるのでデータ分析がやりやすくなるだけでなく、ナイキのシューズであればアプリに登録することが可能。マラソンシューズの摩耗状況などを管理できるので、シューズの買い替えのタイミングを知ることができます。アプリがランニングプランを作ってくれるので、マラソン初心者にもおすすめのアプリです。

・Runkeeper- GPS ランニングトラッカー

こちらもマラソン初心者におすすめのアプリです。走った走行ルートから走行距離や速度などを記録してグラフ表示することができるので、自分の頑張りを目で見ることができます。

また、SNS機能があるのがRunkeeper- GPS ランニングトラッカーの魅力。自分が頑張ったデータを他の人に見てもらうことや他の人のデータを知ることができます。それが新たな刺激となって、マラソンを続けていくことができます。SNS機能を使ってマラソン仲間をつくり、その仲間とときには一緒に走ったりすることも可能になります。

・Runmeter GPSランニング、ジョギング、サイクリング

データ分析を行いながら本格的にマラソンをしていきたいという人にピッタリなのが「Runmeter GPSランニング、ジョギング、サイクリング」というアプリです。このアプリは、ルートや走行時のスピードが細かく記録できるだけでなく、かなりコアな所の記録ができるのが特徴です。

使っているシューズを登録すれば、シューズの買い替え時も教えてくれます。マラソン用のトレーニングプランが収録されているので、自身に合ったプランでトレーニングを行い、大会に向けて準備を進めていくことも可能です。いくつかの機能は無料版でも使えますが、有料版にしなければ使えない機能もあります。優れた機能が満載なので、有料版にする価値はあるでしょう。

まとめ

最新のIT技術を導入してデータ分析を行っているスポーツは他にもたくさありますが、大会運営だけでなく環境への影響への分析といった視点でのデータ分析を行っているスポーツは珍しいものです。

今や、一般の人でも、身体能力の向上や健康管理のためにデータ分析をするようになっているので、マラソンをする人にとってもデータ分析はかなり重要な位置付けになると考えてよいでしょう。


◇参考記事一覧

東京マラソン IBM「ワトソン」がSNSや映像分析 (NIKKEI STYLE)

湘南国際マラソン(アズビル株式会社)