コカ・コーラ社のマーケティングの秘密|スポーツにこだわる理由とは?

テレビで大きなスポーツの大会がある際に、よく見かけるのがコカ・コーラのCMです。

熱狂シーンでシュワシュワなコーラが映ると、コーラを飲みたくなって、近くのコンビニにコーラを買いに行ったことがあるという方も多いのではないでしょうか。

これこそがコカ・コーラ社のスポーツマーケティングのうまさであり、秘密なのです。

今回は、そんなコカ・コーラ社のマーケティングについて紹介します。

コカ・コーラ社におけるスポーツマーケティング

コカ・コーラ社は非常に積極的にスポーツマーケティングを行っている会社です。

国際的なイベントであるオリンピックや、ワールドカップにもパートナーとして協賛しています。

・オリンピックやFIFAワールドカップとのパートナー契約

コカ・コーラ社によると、サッカーはとても優秀なビジネススポーツとされています。

その理由は、サッカーは国籍や性別を超えたスポーツであり、世界中の多くの人にむけた企画がたてられるからです。

その結果、コカ・コーラ社は、1978年からFIFAワールドカップ公式のパートナーを続けています。

また、サッカー以外に世界中の人が熱狂するスポーツイベントといえば、オリンピックを挙げる方もいるでしょう。

コカ・コーラ社は、オリンピックともパートナー契約を結んでいます。

このパートナーシップは1928年から続いており、実に1世紀近くに及びます。

・アスリートとのスポンサー契約

現在、コカ・コーラ社では、いろんなスポーツ選手とスポンサー契約を結んでいます。

最近では、高校生としてリオ五輪に出場した水泳の今井月さんや、スケートボードの西村詞音さん・碧莉さん、さらに、フリークライマーの白石阿島さんといった10代で将来が期待される選手とも契約を結びました。

このように若い選手と契約する理由として、10代に対してアピールする狙いがあると言います。

最近では、テレビなどの媒体よりも、SNSなどネット環境で有名だったり存在感がある方に注目しているそうです。

ネットで話題になっている選手に対して、他社よりも速く声をかけるのがコカ・コーラ社のスポンサー契約のポイントなのです。

・オリンピック聖火リレーのプレゼンティングパートナー権利の獲得へ

オリンピックで最初の見せ場になるのが聖火リレー。聖火リレーにも公式パートナーが付きます。

ですが、聖火リレーの公式パートナーは具体的に何をするのでしょうか。

具体的な日程や、場所などを決めるのは、組織委員会。ルートは各自治体が決定しています。

しかし、聖火リレーを盛り上げて良いものとして届けるのがパートナーの仕事です。

パートナー企業からみれば、うまく聖火リレーを盛り上げられれば、自社製品が売れるという関係になっているのです。

このように聖火リレーのパートナーになることは企業にとって大きな利点があると言えます。

当然、やりたい企業も多く、コカ・コーラ社もその一つとして契約を目指しています。

コカ・コーラ社の強みはなんといっても経験です。1992年から聖火リレーを夏季・冬季とサポートしています。これは、世界一長い期間です。

開催国が毎回変わるオリンピックの聖火リレーにおいては、コカ・コーラ社が最も知識や経験があると言えるでしょう。

マーケティングで重要なのは共感を得られるかどうか

マーケティングで重要なのは、共感を得ることです。

共感を得ることによって、ブランドと大会のイメージが結びつき、製品が売れます。

また、マーケティングの基本は人の心に寄り添うことなのです。人の心によりそうには共感を得ることがなにより大事と言えます。

 ・スポーツは共感を得やすいコンテンツ

マーケティングの基本である共感。スポーツは共感を得やすいコンテンツです。

オリンピックなどの世界大会では、日本を応援しますよね。日本中が一段となって盛り上がる状況が作れるのです。

ほかのスポーツでも、応援しているチームや選手をみんなで盛り上げますね。

消費者がスポーツを楽しんでいるシーンの一部になれれば、共感が生まれて製品が売れるのです。

なので、コカ・コーラ社はスポーツを通じて感じる興奮や充実感を、一緒に盛り上げていくことに力を入れているのです。

マスマーケティングとターゲットマーケティング

ここからは、マーケティングに重要なマスマーケティングとターゲットマーケティングについて解説します。

コカ・コーラ社では、長い歴史の中でマーケティングとターゲットマーケティングをうまくつかっています。

・マスマーケティングとは?

マスマーケティングは、第二次世界大戦後からの高度経済成長時代といった大量消費時代に生まれた主砲です。

目的は、特定の種類の製品を大量に流通、販売させることです。

現在でも、生活用品や食品といった分野で行なわれています。

コカ・コーラ社は、マスマーケティングによって世界的に成功した企業です。

1923年に社長に就任したロバート・ウッドラフ氏はコカ・コーラという製品を、「いつでも・どこでも・だれにでも」をキャッチフレーズとともに世界中に向けて宣伝を行ないました。

その結果、世界中で認知され、大量に売れたのです。

このようにマスマーケティングとは、大量に販売するためにすべての消費者に同じ方法でマーケティング活動をすることを言います。

テレビCMや雑誌などをつかったマーケティング活動というと分かりやすいですね。

・ターゲットマーケティングとは?

マスマーケティングとは反対に、ターゲットを絞りそのターゲット特有の需要に答えるのがターゲットマーケティングです。

ターゲットマーケティングには、流れがあります。

1.市場の細分化

2. ターゲットの設定

3. 製品がどのターゲットに適応しているか決定する

このように、特定の消費者に向けて製品を展開するやりかたです。

コカ・コーラ社で言うならば、爽健美茶や、アクエリアスといった製品を、特定の消費者に向けて販売していることが挙げられます。

CSR活動による信頼関係構築

コカ・コーラ社のような大きな企業だと、CSR活動も重要になります。

CSR活動とは、「企業の社会的責任」のことです。

人権の尊重や環境への取り組み、公正な取引や、地域活動への積極的参加などだけではなく、利益を上げて納税をすること、法令を守って企業活動することなども入ります。

コカ・コーラ社では、こういったCSR活動を積極的に行っているのです。

・ハッピー四国

コカ・コーラ社が行っているCSR活動にハッピー四国というのがあります。

ハッピー四国活動では、四国コカ・コーラボトリングが製造の拠点である四国に対し、文化や教育、福祉の支援、地域コミュニティへの協力、スポーツイベントの開催といった活動を展開しています。

この他にもコカ・コーラ社ではいろんなCSR活動を行っています。地域や社会のために責任を果たしているのですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。コカ・コーラ社は、非常にスポーツマーケティングがうまい企業と言えます。

その裏には、長い歴史の中で培われた知識や経験があります。

社会的責任も果たしながら地域社会との関係も上手に行っているコカ・コーラ社。

2020年のオリンピックを見る際は、コカ・コーラ社に注目してみるのも面白いかもしれませんね。

参考記事一覧

コカ・コーラ流マーケティング、「綾瀬はるか起用」の深謀(ビジネス+IT)

コカ・コーラに学ぶ、スポーツがマーケティングにもたらす価値(note)

コカ・コーラ社担当者が語る「スポーツマーケティングの魅力と業界で活躍するために必要なこと」/後編(soccer king)

FIFA ワールドカップTM開幕を機に振り返る。 コカ・コーラ社「スポーツマーケティング」の極意(コカ・コーラ社)

コカ・コーラは、なぜスポーツビジネスに強いのか(SPORTS INNOVATORS)

いまさら聞けないCSR活動とは?10項目に分けて解説(BOXIL)

ハッピー四国(Wikipedia)