楽天、Davis Cupの新たなグローバルパートナーに決定

「楽天ジャパンオープン」以来の大型テニス投資

楽天とKosmos Tennis(コスモス・テニス)は2019年6月4日、国際テニス連盟(ITF)が主催する男子テニス国別対抗戦のDavis Cup (デビスカップ)について、楽天が2019年と2020年のグローバルイノベーション&エンターテイメントパートナー、及び、グローバルプレゼンティングパートナーとなる契約を締結した。契約期間は2年間で、さらに2年間の契約延長オプションが付く。この契約に基づき、大会名称は「Davis Cup by Rakuten」へと変更する。

楽天の三木谷浩史代表取締役は次のように語っている。

「楽天はDavis Cupとのパートナーシップを通じて、世界中の人々に活力を与え、エンパワーメントするという使命の追求を続けます。私たちは、スポーツには人々や地域社会を結び付けるとともに、イノベーションを加速させ、より良い未来を創り上げる力があると強く信じています」[1]

楽天は、国内でプロサッカーチームのヴィッセル神戸とプロ野球チームの楽天ゴールデンイーグルスを所有。さらに、FCバルセロナ、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、NBAとパートナーシップを結び、グローバルでの認知度向上に取り組んでいる。テニスへのスポンサードでは、2009年からATPワールドツアー「楽天ジャパンオープン」の冠スポンサーも務めている。

Davis Cupでは、これまで17年間スポンサーを務めていたフランスの銀行BNPパリバに代わって、119年の歴史を持つ大会に加わっていく。今年からフォーマットを変えた11月の1週間に渡る決勝ラウンドでは、舞台となるスペイン・マドリードで楽天の存在感も高まっていくだろう。

Davis Cupを変革 楽天とKosmos Tennisのパートナーシップ

今回、楽天のパートナーとなったKosmos Tennisは、2018年2月に、25年30億ドル(約3,255億円)という破格の契約でDavis Cupとのパートナーシップに合意している。スペイン・バルセロナを拠点にするスポーツ・エンターテイメント企業Kosmos傘下で、グローバルでテニス大会のマネジメントを行う企業だ。Kosmosの創業者は2008年からFCバルセロナでプレーするジェラール・ピケで、楽天の三木谷代表取締役も支援している。

Kosmos Tennisと国際テニス連盟の巨額契約は、Davis Cupでの選手への賞金、国際テニス連盟の加盟国への分配金、そして普及や育成プログラムに対する投資の増加につながる。同連盟のデビッド・ハガティ会長もKosmos Tennisとのパートナーシップを「ゲームチェンジャー」と語り、テニス界における真のワールドカップを作り上げていくことにつながると話している。

Kosmos TennisとDavis Cupの契約後、新たな公式ウェブサイトも立ち上がり、楽天は大会のイノベーションにおいて価値を生み出していく。様々な事業領域で70を超えるサービスの幅を持つ一方、スポーツマーケティングでも深い知見を有する楽天が目指すのは、オンラインとオフラインでの取り組みを通した、顧客満足の向上だ。現在のところ、無料通話メッセージアプリ「Rakuten Viber」を活用したオンライン・コミュニケーションやコンテンツの共有ができる場の提供などが予定されている。

国際テニス連盟のハガティ会長も、楽天がもたらす新たなイノベーションに期待する。

「Davis Cupは常に伝統を維持しながらも革新を受け入れています。新たなテクノロジーを取り入れてきたことで、新たなパートナーシップを構築することも可能になっています。楽天と共に、新しくまた多様な手法で世界の観衆に試合をお届けできることを楽しみにしています」[1]

◇参照

1. 楽天