マンU、平等性・多様性・受容性の啓発キャンペーン「All Red All Equal」を展開

スタジアムとデジタル・ソーシャルでアクティベーション

マンチェスター・ユナイテッドは、2019年4月に行われたリーグ戦に合わせ、「All Red All Equal」キャンペーンを展開した。平等性(Equality)、多様性(Diversity)、受容性(Inclusion)の啓発を目的として、同クラブが2016-17シーズン以来毎年行なうキャンペーンで、2018-2019シーズンで3年目となる。

試合当日には、マンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラフォードのイーストスタンドにはバナーが掲出され、キックオフ前には、センターサークル・フラッグが掲げられた。これに併せて、クラブ公式WebサイトやSNSでコンテンツを発信。キービジュアルやビデオには、アントニー・マルシャル、ジェシー・リンガードといった男子チーム選手と、エイミー・ターナー、ミリー・ターナーといった女子チームの選手が登場している。

また、#allredallequalのハッシュタグを設定し、世界中のファンに対してキャンペーンへの参加を促した。クラブは12のソーシャルメディア・プラットフォームに1.53億のフォロワーを抱えており、影響は莫大だ。

マンチェスター・ユナイテッドのグループ・マネージング・ディレクターであるリチャード・アーノルド氏は、次のように語っている。

「多くのステークホルダーと連携し、私たちの受容性や多様性への取り組みが、様々な活動を確かにサポートできるようしてきた。多様なバックグラウンドのスタッフやサポーターを持つのは恵まれたことであり、世界中のどこにいようとも、オールド・トラフォードを訪れ、クラブをサポートする全てのファンに、ポジティブなインパクトを与える責任がある」[1]

「未だに差別が存在する」サッカー界に変革を

サッカーは世界中で最もポピュラーなスポーツに成長したが、男性至上主義・女性差別や白人至上主義・人種差別が未だに散見するのも事実だ。歴史的には反知性主義とも結びついてきており、かつてのプレミアリーグは『ガーディアン』などの高級紙を選手が読んでいるだけで、同性愛者だと揶揄されたケースもあった。

人種や性別、容姿、身体的特徴、信仰、国籍、職業、出身地などが理由で不当な差別がなされるケースも依然として後を絶たない。

その意味においても、マンチェスター・ユナイテッドの取り組みは、意欲的且つ継続的な点が特徴だ。キャンペーンを開始した2016年には、クラブ内にトップマネジメント層から成るEquality Committeeを設置し、平等への取り組みを推進。キャンペーンのWebページも設置し、活動内容と成果を「Equality Achievement」としてレポート形式で公開している。

今回のキャンペーンビデオビデオでは、選手たちが、人種差別、性差別、障害者差別など様々な実例を挙げた上で、「違いを受け入れよう」「結局は誰もが同じ」と訴える。サッカーやスポーツという枠を超えて、社会課題の解決を目指す。

◇参照

1. Manchester United