Rakuten TVにRakuten Sportsも――楽天、国内外でスポーツコンテンツの配信サービスを強化 

Jリーグを世界140ヶ国に オリジナルの「イニエスタTV」も配信

楽天は6月11日、スポーツコンテンツをグローバルで配信する動画配信サービス「Rakuten Sports」を新たに提供することを発表した。

「Rakuten Sports」はサッカーコンテンツを中心に配信し、Jリーグは日本と一部国・地域を除く世界約140ヶ国・地域で、ヴィッセル神戸に所属するイニエスタのオリジナルコンテンツ「イニエスタTV」は世界全地域で視聴が可能となる。サッカーへの人気が高まり、Jリーグへの注目が集まるベトナム、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、ラオスなど東南アジアの視聴者を一層取り込みたい狙いだ。

楽天の副社長執行役員CROで メディア&スポーツカンパニー プレジデントの有馬 誠氏は、以下のようにコメントしている。

「楽天は、スポーツには言語や文化などの垣根を越え、人々をつなぎ、コミュニティーを発展させる大きな力があると信じています。世界中の人々にスポーツの喜びと楽しさを届けたいという願いから、楽天はこれまでも様々なパートナーと組み、積極的にスポーツと関わる事業を展開してきました。『Rakuten Sports』はまさにその想いを体現するものです。まずは、世界のサッカーファンに向けて、Jリーグの魅力を発信し、ファン層の拡大に貢献していきたいと考えています」

「Rakuten Sports」では卓球、バスケットボールなどサッカー以外のスポーツ配信も開始していくとともに、スポーツファン同士がインタラクティブに試合観戦ができるようなコミュニティー機能も提供していく予定だ。日本発のコンテンツをよりグローバルで発信していくプラットフォームとなる。

HALF TIMEの以前のインタビューで、同社メディア&スポーツカンパニー グローバルスポンサーシップオフィスの岡本直也氏は、イニエスタの権利活用について積極的に日本企業に提案していることを話している。スポーツコンテンツ配信のプラットフォーム上でも、企業とのコラボレーションが進む可能性がある。

歴史的な「NBAドラフト」 を無料配信の試みも

楽天は日本国内限定の動画配信サービスとして「Rakuten TV」も提供している。スポーツや映画、ドラマ、アニメなど約18万本の動画を配信し、スマートフォン、パソコン、テレビなど様々なデバイスで視聴する事が可能だ。

スポーツはここでも一大コンテンツだ。「Rakuten TV」では2018-19年シーズンに、NBAの試合中継を週9本以上、「Rakuten NBA Special」購入ユーザーに配信してきていた。その他のスポーツでは、プロ野球、サッカー、ゴルフ、格闘技、ウィンタースポーツ、釣りなど、様々な競技を日本国内の視聴者へ届けている。

NBAでは、ワシントン・ウィザーズが2019年ドラフトにて全体9位指名で八村塁を指名したのは多くの人が目撃したはずだ。この歴史的瞬間を逃さず、楽天は無料で配信のプロモーションを行った。ドラフト当日の日本時間6月21日には「Rakuten TV」とNBA Japanの公式ツイッターにて無料で視聴可能となり、日本語解説も提供された。

楽天では、海外をターゲットとした「Rakuten Sports」、そして国内をターゲットとした「Rakuten TV」の両方でスポーツコンテンツの取り扱いができることとなる。楽天にとってはオーディエンスの興味の違いや同異性を知る貴重なプラットフォームとなると共に、日本のスポーツ界にとっても、日本と世界をつなげる架け橋となる配信プラットフォームの誕生は、大きな意味を持つはずだ。

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