「ラ・リーガを世界に発信」イニエスタ、ラ・リーガの公式アイコンに就任――グローバルブランディングを後押し

レジェンドで二人目 「ラ・リーガを世界に」広める役割

ラ・リーガ会長 ハビエル・テバス氏。撮影=HALF TIME

スペインサッカーリーグのラ・リーガは、7月22日、元FCバルセロナのレジェンドで、ヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタを「ラ・リーガ公式アイコン」に起用することを都内で発表した。

ラ・リーガが2019年3月より展開する「ラ・リーガ アイコンプロジェクト」として、リーグに所属したレジェンド選手を活用してラ・リーガの魅力を世界中に伝えていく取り組み。アイコン就任は、3月に就任したイケル・カシージャス(元レアル・マドリード、現FCポルト所属)に続いて二人目で、スペイン国外での発表は初めてとなる。

発表会にはラ・リーガ会長のハビエル・テバス氏も出席し、「(イニエスタは)カシージャスに続き、ラ・リーガを世界に広めていく存在。ラ・リーガに日本人選手が増える中、(アイコン就任を)日本で紹介できてとても嬉しい」と語った。

イニエスタは、ラ・リーガの魅力について、「どんな選手でもプレーしてみたい、世界最高のリーグ」と称し、「スペクタクルで芸術的」とも表現した。「アイコン就任をとても嬉しく思い、この機会に感謝している」と謝辞を述べた後、次のようにさらに語った。

「これまでプレーヤーとして、スポーツ精神、リスペクト、そしてサッカーへの愛といったことを発信してきたが、ラ・リーガの代表として、ピッチの内外でこれからも発信を続けたい」

ピッチ内外で「世界最高峰」を目指す

ラ・リーガ アンバサダー&レジェンドプロジェクト ディレクター フェルナンド・サンス氏。撮影=HALF TIME

競技レベルで世界最高峰のリーグである点は、ラ・リーガを体現する一つのキーワードだ。同席したラ・リーガのアンバサダー&レジェンドプロジェクト ディレクターであるフェルナンド・サンス氏も「ラ・リーガは世界190ヶ国で放送され、存在感も大きい。世界で最高の競技を提供するプラットフォームになっていきたい」と、リーグの目指すべき姿を強調する。

これに加えて、ピッチ外のビジネスでも「世界最高峰」を目指す。ラ・リーガは世界で約500人のスタッフを抱え、各国駐在員が「グローカル」戦略に基づいて、スポンサーシップ販売やプロモーション活動、現地メディアとのコミュニケーションを行い、グローバルマーケティング及びブランディングを進めていることについて、オクタビ・アノロ氏(ラ・リーガ グローバルネットワーク 日本駐在員)は以前HALF TIMEのインタビューで語っている。

事実、先日7月16日には、ラ・リーガ初となる日系スポンサーとして、H.I.S.がオフィシャル・トラベルパートナーとなる発表がされたばかりだ。同社はホスピタリティチケットの販売だけでなく、日系企業向けにサッカービジネスの現地視察などを取り扱う予定で、ラ・リーガのビジネス自体への注目度が高いことも伺える。

レジェンド活用もプログラム化

アンドレス・イニエスタ。撮影=HALF TIME

ラ・リーガのビジネスという観点では、レジェンド活用を単発の企画でなく、「アイコンプロジェクト」としてプログラム化する点にもブランディングの巧妙さが表れている。

イニエスタは2018年にヴィッセル神戸に移籍するまでは、FCバルセロナ一筋で22年間プレーし、32のチーム・タイトルと、UEFA欧州最優秀選手賞やゴールデンフット賞を含む34の個人タイトルを獲得した正真正銘のレジェンドだ。このような元リーグ所属選手を活用しない手はない。

ラ・リーガ公式アイコンとして、ソーシャルメディアで「日本で発見したものを世界に伝えていきたい」と語ったイニエスタのフォロワー数は、ツイッターで約2,430万、インスタグラムで3,100万と絶大だ。無論、旧来のメディアバリューや、その他セールスやマーケティング活動への副次的な効果も期待できるだろう。

前出のハビエル・テバス会長はもともと、2013年の会長就任以降、放映権の再構築などによる財政再建以外にも、リーグのリブランディングとグローバルブランディングで手腕を発揮してきた人物だ。今後もラ・リーガの「世界戦略」がどのように描かれていくのか、注目される。