セールスフォース、米国女子バスケチームとのスポンサー契約を発表

コミュニティ、ダイバーシティへの取り組み目指すセールスフォース

米ソフトウェア大手のセールスフォースは、2019年4月、米国女子プロバスケットボール(The Women's National Basketball Association:WNBA)チームのインディアナ・フィーバーと複数年にわたるスポンサーシップ契約を締結し、ユニフォームパートナーとなることを発表した。今シーズンからフィーバーのユニフォームには、正面にセールスフォースの名前が、肩にはロゴマークが入ることとなる。

今回のスポンサーシップ契約は、フィーバーを保有するペーサーズ スポーツ&エンタテイメント社とセールスフォースとの、マルチプラットフォーム契約の拡大の一貫。両社は昨年2018年秋、セールスフォースのテクノロジーを活用して、ファンとのあらゆるデジタル・インタラクションをパーソナライズさせる取り組みである「Ultimate Fan Experience」を提供していた。

今後、6月の「LGBTプライド月間」に合わせて6月9日に開催される「Fever’s Pride Night」でも、セールスフォースがタイトル・スポンサーとなることが決定。インディアナポリスの地域コミュニティのダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(受容性)を支援する。

セールスフォース・マーケティング・クラウドの最高経営責任者(CEO)ボブ・スタッツ氏は、次のように語る。

「全ての人々の平等は、セールスフォースのコア・バリュー。WNBAは平等性そのものであり、インディアナ・フィーバーは、私たちが女性のリーダーシップやインディアナポリスの地域コミュニティを支援するのに理想的なパートナーだ」[1]

注目される、フィーバーの「異色」女性COO

Sales force
Allison Barber

今回、セールスフォースがスポンサー契約を結ぶこととなったインディアナ・フィーバー。その社長兼最高執行責任者(COO)であるアリソン・バーバー氏は、多様な人材が集まる米国プロスポーツ界でも異色の経歴を持つ。

2019年3月にフィーバー歴代2人目のトップとして同職に着任したバーバー氏は、これまでホワイトハウスや国防総省でコミュニケーションに従事し、その後は戦略コミュニケーションファームのトップを務めるなど、経験豊富なマーケティング・コミュニケーションのエグゼクティブだ[2]。

バーバー氏がCOOに就任した背景には、インディアナポリス出身であり、長年のバスケットボールファンである同氏のルーツがある。バーバー氏は、常に選手の能力や組織としてのWNBAの強さに感銘を受けていただけでなく、より多くの若い女性や子どもたちがスポーツをすることで、インディアナポリスにプラスの影響を与えることができるのではと考えていた。同氏は、地域コミュニティへの想いについて、次のように語っている。

「私たちは地域社会に責任を持っている。現在エグゼクティブである女性の94%が、成長過程でスポーツを楽しんでいたという事実があるように、これから若い世代の女性たちが自信をつけていくためにも、より多くの若い女性にスポーツを楽しんでもらいたい」[3]

2019年はフィーバーにとって、創設から20シーズン目に入る。同氏は、今回のスポンサー契約についても、地域コミュニティのファンとの関わりが強まることに期待を寄せる。

「フィーバーの組織文化や価値観に一致するパートナーを迎えることに、非常に興奮している。20年目のシーズンに入り、今回セールスフォースを迎えることで、素晴らしいファンとより一層つながり、ブランドを共に成長させることができ、今後を非常に楽しみにしている」[1]

◇参考

1. Indiana Fever

2. Indiana Fever

3. Salesforce