【特別対談#1】日本フェンシング協会 太田雄貴×HALF TIME 磯田裕介――スポーツ×ビジネスのゲームチェンジャーを輩出へ

HALF TIMEの本格サービス提供開始を目前に控え、創業者で代表の磯田裕介と、日本フェンシング協会会長で、HALF TIMEアンバサダーにも就任した太田雄貴氏が特別対談。HALF TIMEにかける想いや期待から、日本スポーツ業界の現状、そして、求められる「ゲームチェンジャー」となる人材まで、スポーツ業界を本気で変えようとする二人が語った。(聞き手は新川諒)

「スポーツ×グローバル」の発想から誕生したHALF TIME

磯田 裕介:Beyond Global Recruitment株式会社 代表取締役。インテリジェンス入社後、 海外事業拡大のためシンガポール、ベトナム法人に出向。その後、スポーツ業界特化の英系エグゼクティブサーチファームSRIで日本事業を立ち上げのためシンガポール勤務の後、日本へ赴任。Beyond Global Recruitmentを設立し現在に至る。

――まずは磯田さんと太田さんの出会い、そしてアンバサダーに就任したきっかけを教えてください

磯田裕介(以下、磯田):もともと、HALF TIMEのアドバイザーを務めていただいているTEAMマーケティングの岡部さんを通じて知り合う機会を得ました。HALF TIMEの想いや今後何を成し遂げたいのかという話をさせていただきました。太田さん自身もスポーツ業界の課題の一つとして人材を感じてらっしゃったので、当社がそのサービスを提供するということで共感いただいたのかなと思います。

太田雄貴(以下、太田):磯田さんは本当にグローバルで勝負しようとしていますよね。僕より若者ですが、経験豊富で、こういう若い世代に頑張って欲しいです。お手伝いが出来るのであれば、僕も応援すべきだと思っています。

僕はフェンシング協会会長ですけど、フェンシングのみならず、スポーツのみならず、日本として一人でも多く海外へ飛び出していける人材の背中を押せる役割が出来るのはとっても嬉しいことです。それで引き受けようと思いました。

磯田:太田さんとは、海外から日本を俯瞰的に見るとどうか、という話によく行き着きますよね。私の前職はスポーツ業界に特化したイギリス系ヘッドハンティング会社で、そのシンガポール法人に勤務していました。シンガポールには多くのヨーロッパのサッカークラブがアジアのHQを置いていますから、その時からクラブとの付き合いも多いんです。

HALF TIMEがいよいよ本格開始

太田 雄貴:日本代表として日本フェンシング史上初のメダルを獲得し、選手として日本のフェンシング業界を牽引。現在は日本フェンシング協会会長と国際フェンシング連盟副会長を務める。2019 年HALF TIMEのアンバサダーに就任。

――HALF TIMEのサービスが本格的に始まります

磯田:HALF TIMEに関しては、1年前ぐらいから本格的に構想を始めました。なぜこの構想を思い付いたかと言いますと、実は幼少期から話がつながっています。私は4歳からサッカーを始め、大学に入るまではプロになりたいと思っていました。残念ながらプロの舞台で活躍するレベルまで行けませんでしたが、その時自分自身は何かの分野で活躍するということだけは決めていました。

ビジネスパーソンは才能よりも努力が報われるフィールドと感じ、ビジネスというフィールドは今からでも努力によって成功を納められるのではないかと感じました。ビジネス分野で、グローバルという軸で活躍すると決めて今に至ります。現在31歳になり、社会人歴も約10年となりました。今までのキャリアは人材業界が約10年、そこにグローバルとスポーツを掛け合わせて歩んできました。まずは「人材×グローバル」でスポーツ業界に貢献することが、弊社にとっても業界にとっても一番良いのではないかと思いました。

太田:最初はガッツリ人材領域に行くのかと思っていたのですが、HALF TIMEというメディアもやると聞いて、なるほどと思いましたね。ニュースは切り口だと思っていて、選手の勝敗や努力にスポットを当てたものは一杯あると思うんですよ。ですが運動が好きでない人にはそもそも響かないですよね。「スポーツ×ビジネス」の領域であれば、全然スポーツが好きでないビジネスマンでも自分の置かれている状況を投影することは多くあると思います。

僕の場合もそうですけど、古い体質の連盟に入って若い人がどうやって人材を入れ替えてきたかというのは、スポーツだけでなくて、いわゆる老舗企業や商店、色んな団体・会社でも同じ悩みだと思います。ビジネス領域のメディアがスポーツを扱うことが増えてきて面白いとは思いますが、スポーツに特化したものはないのでHALF TIMEはユニークですね。あとはネタがどこまで続くかですね(笑)。

日本語でできるインタビューだけでは少ないでしょうから、そこは彼のグローバルな視点、持ち前のアグレッシブな性格で世界中の「スポーツ×ビジネス」を領域にして、一気に広げて欲しいですね。日本人にとっても多くの「なるほど」を生むことが出来ると思います。

競技と経営 スポーツ界でも「人材マッチング」が重要

――現役時代には様々なメディアから取材があったと思います。競技だけでなく運営面など、他の側面を取り上げてほしいと思ったことはありましたか?

太田:現役の時は現役のことを軸に考えていました。僕は自分が器用ではないことを理解しています。両方出来る人は二刀流でも三刀流でもやったら良いと思います。磯田さんもそうかもしれないけど、1つのことにハマると潰しが利かないと思う人もいるわけです。むしろ、これが健全な人なんですよ。

だけど、それは全員には当てはまらないのも事実です。一個のことにハマりまくって、次の領域でもハマり続けることが出来る人も強さがあります。私が大会の運営に携わるようになったのは、会長になってからのたかが2年ぐらいです。2年でパフォーマンスを出すということに関しては最低限出していると思いますが、現役中の選手を運営の中に入れていくのは一つのアイディアかもしれませんね。

磯田:現役選手を運営の中に入れていく事例としては、海外のラグビー業界で話を聞きますね。でも、どうしても賛否両論分かれることだと思います。選手上がりでその組織の経営者になっていくのか、あるいは経営者として他業界で活躍した人がトップのポジションに就くのか、様々なケースがあるでしょう。

重要なのは、一概に元選手をそのままトップのポジションに推進するという考え方でなく、その人の特徴に合わせたポジションのマッチングです。元選手がトップに付くと、社外に対する営業、ブランディング、マーケティングへのインパクトは絶大だと思うので、バランスを取ることができたらベストでしょうね。

次回の第2回では、スポーツ業界の課題の一つと言われる「人材」について、日本フェンシング協会が取り組む中で見えてきた成果、そして改めて感じる課題なども含め、日本フェンシング協会の太田雄貴会長とHALF TIME代表の磯田裕介が、引き続き議論を交わす。